自然素材とは
自然素材について明確な規定はありませんが、一般的には、木材、紙、草、タイル、石、土など自然の素材でつくられた材料のことを指します。
無垢の木材のほか、和紙や月桃、ケナフという草を原料とした壁紙や、コルク、麻、ココヤシ、竹、籐を使った床材、亜麻仁油、石灰岩、ロジン、木粉、松樹脂などからつくられたリノリウムや、タイル、大理石などの石、石灰を原料とした漆喰や堆積岩を原料とする珪藻土などがあります。
中には、自然素材を原料として使っていても、接着剤や凝固剤として化学薬品を使っているものもあります。
例えば、珪藻土は、漆喰のように空気に触れて固まる性質は持っていないので、何かしらの凝固剤を使っています。
「合成樹脂化合物」を凝固剤として使っている場合などは、自然素材とは言えません。
原料だけでなく使われているすべての素材が自然界のものであり、切る、削るなどの最小限の加工しかしていないことが自然素材の条件と言えるでしょう。
自然素材の特徴
健康な暮らしができる

人工的な素材には、人体に有害な物質が含まれている場合もありますが、自然素材には、ホルムアルデヒド等有害な化学物質は入っていません。人が、かつて自然の中で暮らしていた頃の感覚に近い暮らしを実現することができます。
自然の中と同様の生活空間

木の香りや手触りだけでなく、太陽の動きや空気の流れを考慮した設計を行うことで、より自然に近い生活空間を作り出すことができます。四季を感じ、日の出から日の入りまで1日を感じられる、自然と一体となった暮らしが私たちの望みです。
自然素材の持つ機能

自然素材は、天候や気温、湿度に合わせて、快適な空間を作るべく、常に呼吸しています。木や土、紙や草や石が、室内を快適で自然な環境に保ってくれます。
経年変化の味わい

自然素材は、呼吸しているが故、それに伴って素材が伸び縮みし、反りや縮み、割れが発生してしまう場合もあります。しかしそれは、年を経るごとに変化する素材の風合いとも言えます。年月とともに味わいを増す素材の変化を楽しむのは、自然素材の家の醍醐味とも言えます。
家族の一体感と家そのものへの愛着

自然素材の家には、経年による素材の変化に対応できるよう定期的なメンテナンスが必須です。家族が協力してメンテナンスを行うことで、家族に一体感が生まれ、家そのものに愛着も湧くようになります。
環境にやさしい

自然素材は、リサイクルや再利用が可能です。また、廃棄処分時には、土や自然に還ります。ビニールクロスや塩ビが使用されている新建材は、簡単にリサイクルはできません。廃棄時には、有害物質による環境汚染を招く恐れがあります。
自然素材のいろいろ
外装廻り建材・構造材等
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燻煙乾燥木材
燻縁処理による低温長期乾燥により、木のピット(細胞)を壊すことが少ない為、木の精油分が保存でき耐久性や保存性のよい材料になります。又、燻煙効果により虫、シロアリ、カビなども付きにくい材料です。ようは燻製ですので、おいしそうな燻製の臭いがします。
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そとん壁
火山噴出物からなるシラス(白砂)を原料とした100%自然素材です。自然の調湿機能で湿気による結露やカビから建物をまもります。
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Moiss
モイスは地震、火災、湿気に強い、天然素材が主成分の外装・内装下地建材です。
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羊毛(断熱材)
みなさんご存知の羊毛、服を作るだけでなく、建築建材としても活躍。調湿効果に優れ、ダニやカビの発生を防いでくれます。又、断熱性能だけでなく、防音性、難燃性もあります。
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セルロース(断熱材)
パルプを原料とする紙製品を再利用して作られた環境に優しい断熱材。耐火性能もあります。
内装廻り建材等
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無垢フローリング
複合フローリングとは違い、接着剤等の科学物質は使われていません。
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中霧島壁
シラス(白砂)の内装材。消臭、空気洗浄化、調湿機能に優れ、結露やカビから建物をまもります。
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蜜ロウワックス
ミツバチが作った蜜ロウとエゴマ油だけで作った自然素材。木材の経年変化を美しく味わい深く見せます。但し、1~2年に1回はメンテが必要です。
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AURO(木材保護塗料)
ドイツ生まれの100%天然原料の塗装材。主原料も契約農家によるオーガニック生産という、こだわりの逸品。ドイツ人らしいこだわりですね!
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ステンレス配管(モルコジョイント)
錆びにくく耐久性のある配管材です。建物解体時もリサイクルが可能な環境にやさしい材料です。
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排水管(エコパイプ)
ペットボトルから再生された、環境にやさしいパイプ。焼却処分されるときも、塩素系の有毒ガスは発生しません。